多くの皆さんが頭痛を経験したことがあると思います。
この頭痛には一時性頭痛と二次性頭痛があります。
疑問1:一次性頭痛、二次性頭痛とは?
非常に簡単に言うと……
・一次性頭痛:原因がはっきりしないもの
・二次性頭痛:はっきりした原因があるもの?
疑問2:一次性頭痛、二次性頭痛それぞれの原因や対処法は?
まずは一次性頭痛についてご説明します。
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緊張性頭痛:一次性頭痛の内 最も多いタイプの頭痛です。
原 因:肩や首の凝りが原因で血液やリンパの循環が悪くなり、
疲労物質が溜まって痛みを生じさせます。
症 状:頭を締め付けられるような、頭が重いような感じとともに
主に後頭部に痛みを感じます。
対処法:入浴や体操などにより肩や首の凝りを解消することで
改善が期待できます。慢性化した緊張性頭痛には
穏やかなマッサージや鍼治療なども有効です。
A
片頭痛:繰り返す頭痛の代表です。どちらかというと女性に多く、
親子や兄弟間で共通することが多いのも特徴です。
原 因:なんらかの理由で拡張した頭部の血管が痛覚神経を刺激し、
頭の片側(あるいは両側)に痛みを生じさせます。
症 状:ズキンズキンという拍動性の痛みが特徴です。光や音や振動
によって悪化し、吐き気を伴うことも珍しくありません。
※
頭痛が起こる数10分〜1時間程前に目の前が
チカチカするような“閃輝暗点(せんきあんてん)”という前兆
が起こる場合もあります。
対処法:薬物治療となりますが、頭痛を引き起こす可能性のある食べ
物(チョコレート、チーズ、オレンジ、トマト、コーヒー、
アルコール飲料など)を避けることで頭痛の発症を予防できる
場合もあります。
注意!!肩や首のマッサージは血行を促進して症状を
悪化させる恐れがありますので控えた方がいいでしょう。
B
群発頭痛:男性に多く、症例数は片頭痛の1/100程度と
比較的稀です。一年間の内の特定の時期、一日の内の
特定の時間帯に繰り返し起こることが“群発”頭痛の病名
の由来です。
原 因:片頭痛と同様血管拡張か関係しているとも言われますが、
よく分かっていません。
症 状:群発頭痛の痛みは一次性頭痛の痛みの中で最も強いもので、
片側の目の奥をキリで突かれるような激烈なものですが
間欠期は全く無症状です。
発症は夜間睡眠中が多く、通常15〜180分程度持続し、
涙や鼻水が出るなどの症状を伴うこともあります。
対処法:片頭痛の治療に準じた薬物治療となりますが、
痛みが強く通常の鎮痛薬が効かないため発症を
予防することが第一になります。
C
後頭神経痛:頭皮に起こる神経痛です。
原 因:片側の耳の後ろから後頭部にかけての感覚神経が
過敏になって引き起こされる神経痛です。
症 状:皮膚表面のジリジリ、ズキズキとした痛みが特徴です。
痛みのある部分に触れたり押したりすると悪化します。
対処法:特に何もしなくても数時間程度で治まる場合もありますが、
長引いたり繰り返し起こる場合は痛み止めを服用します。
神経痛による痛みには通常の非ステロイド 系消炎鎮痛薬
(ロキソニンなど)は無効なので、神経障害性疼痛に効く薬を
服用することが必要です。
注意!!皮膚への刺激によって悪化するので
症状のある部分へのマッサージはできません。
また患部に発疹や水疱が出現したら帯状疱疹の可能性があります。
その場合は早急に抗ウイルス薬の服用が必要になります。
すぐに医師の診察を受けましょう。
番外編:薬物乱用頭痛:もともと「頭痛持ち」の人がなるタイプの頭痛。
原 因:習慣的に頭痛薬を月に10〜15回以上飲んでいると薬の
作用で脳が過敏になり、ちょっとした刺激で強い痛みを
感じるようになります。
症 状:頭痛の頻度が増加したり、
今までと違う頭痛を感じるようになります。
対処法:頻繁に頭痛薬を飲むことで頭痛の頻度が増加し、さらに頭痛
薬を飲む回数が増えるという悪循環を断ち切る必要がありま
す。医師に相談しましょう。
次に二次性頭痛についてご説明します。
二次性頭痛は非常に種類が多く、冷たい物を食べた時になるアイスクリー
ム頭痛や飲酒後のアルコール性頭痛はご経験のある方も多いでしょう。こ
のように二次性頭痛ははっきりした原因があるものですので、原因となっ
ている疾患の治療により改善されますが中には命に関わるものもありま
す。心配な場合はまずは医師に相談しましょう。
代表的な二次性頭痛について簡単にご説明します。
@クモ膜下出血:
脳の表面の血管が破れて、脳と頭蓋骨の間のクモ膜下腔という所に出血が起こる病気です。
突然強い頭痛が起こり重症の場合は意識が無くなります。強い吐き気を伴うのも特徴です。
A脳腫瘍:
朝方痛むことが多く、
そうした場合は日中から夜にかけて軽快します。
日増しに痛みが強くなるのが特徴です。
B髄膜炎:
髄膜(脳や脊髄を覆う膜)に炎症が生じる病気です。原因は通常風邪な
どを引き起こす細菌やウイルスが血流に運ばれるなどして髄膜に感染
し起こりますが、がんの転移や免疫異常などが原因になる場合もあり
ます。症状は頭痛の他に吐き気、発熱、重症化すると意識障害や痙攣
などが起こります。
特に細菌性髄膜炎は急速に悪化して重症化することがあるので注意が必要です。
素人(ともこさん)の余談です。
私は以前に急性副鼻腔炎を発症し,この世の物とは思えない程の
頭痛に襲われました。
副鼻腔に膿が溜まり脳に充分な酸素が送れなかった事が原因です。
黄色い鼻水が出て、頭痛を伴う際は副鼻腔炎(蓄膿症)を疑ってみてもいいかも知れません。(黄色い鼻水は、細菌やウイルスが体内に侵入し、それをやっつけるために働いて死滅した白血球や免疫細胞が鼻水に含まれることで黄色っぽく見えています。身体の中の免疫が働いている証拠でもあります。)
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